このコーヒー、誰が育てたの?──ピエドラネグラ農園のストーリー

■ 標高1,950m、黒い石の地から

ピエドラネグラ──スペイン語で「黒い石」を意味するこの名前は、
火山由来の黒い鉱石が点在する、グァテマラのニューオリエンテ地方にあります。
標高は1,850〜1,950m。朝夕の寒暖差と、豊かな火山性土壌が、
コーヒー栽培に絶妙な環境を与えてくれます。
この農園を切り拓いたのは、フランシスコ・アリビズレスさん。
もともと畜産業を営んでいた彼は、自然と共にある暮らしのなかで、
この地に眠るコーヒーの可能性に魅せられ、農園を立ち上げました。

■ 手をかける意味を知っている人たち

フランシスコさんの農園では、天然木やアボカド、レモンの木々に囲まれた中で、
少人数の家族的なチームが、丁寧に収穫と乾燥を行っています。
一粒ひとつぶのコーヒーチェリーに向き合う彼らの姿には、
“売るために作る”ではなく、“伝えるために育てる”という想いが見えます。

乾燥棚の上でゆっくりと水分を抜かれ、発酵槽での処理を経て、
独自の「アナエロビック・ファーメンテーション(嫌気性発酵)」により、
果実の香りと奥行きのある酸味が引き出されていきます。

■ GOOD COFFEE FARMSとの出会い

彼らがフェアトレードの仕組みに参加したのは2022年のこと。
グァテマラの“信頼でつながる流通”を目指す「GOOD COFFEE FARMS」の理念に共鳴し、
“ただの取引先”ではなく、“同じ未来を見つめる仲間”として私たちとつながってくれました。

今では、この農園のコーヒーがくどう珈琲のお客様に届き、
売上が子どもたちの教育の支援につながるまでになりました。

■ くどう珈琲で焙煎する意味

この豆は、精製方法の特性ゆえに、焙煎がとても繊細です。
香りを最大限に引き出すために、温度は1度単位で調整。
仕上がりのタイミングを見極めるため、何度も試行錯誤を重ねました。

ようやくたどり着いた焙煎度と香味は、
まるでトロピカルフルーツのような甘い香りと、透明感ある酸味のハーモニー。
この香りの向こうに、フランシスコさんたちの暮らしが透けて見えるような、そんな味です。

■ あなたの一杯が、農園に届く

「このコーヒー、誰が育てたの?」
そんな問いが浮かぶとき、そこには物語があると思います。

ピエドラネグラ農園の豆は、
ただの“商品”ではなく、私たちが共有したい“関係”のひとつです。
どうぞ、香りの中に彼らのまっすぐな想いを感じていただけたら嬉しいです。

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【商品ページ】ピエドラネグラ農園のコーヒーはこちら

【過去記事】
📘 第1回:フェアトレードって何?
📘 第2回:グァテマラの山奥から届いた豆に込められた物語

グァテマラの山奥から届いた豆に込められた物語

はじまりは、一人のグァテマラ人との出会いから

フェアトレードに深く関わるきっかけは、グァテマラ人のカルロスさんとの出会いでした。
彼は「GOOD COFFEE FARMS」という、グァテマラの小規模農家と日本のロースターをつなぐフェアトレードシステムを立ち上げた人。
単なる輸入業者ではなく、コーヒー生産の構造自体を持続可能にする仕組みを考え、動かしています。最初は直接農園と関われることに魅力を感じて、このプロジェクトに参加しました。

目の前に現れた、グァテマラのリアル

契約の後、送られてきたのは現地の農家の写真とビデオ。
美しい山々に囲まれた土地で、小さな子どもたちが家族とともに暮らす様子、手作業でコーヒーチェリーを収穫する様子…。
この一杯が、遠い誰かの暮らしにつながっていると実感した瞬間でした。

特別な豆、特別な挑戦

届いたのは「アナエロビック・ファーメンテーション(嫌気性発酵)」という手法で精製された豆。
香りが非常に高く、トロピカルフルーツのような甘い芳香と、深みある酸のバランスが魅力です。

しかし、この香りを引き出すのに焙煎のタイミングが非常に難しく、
1度単位で温度を見極めながら、何度も調整を重ねました。
ようやくたどり着いた味は、まさに「努力の結晶」。お客様からも高い評価をいただいています。

その先にある変化

この豆の売上が増えたことで、農家の子どもたちが学校に通えるようになりました。
教育のチャンスが生まれ、未来への可能性が広がったのです。

けれど、こうした仕組みがまだ十分に知られていないのも事実。
現地では「本当に収入が変わるのか」と疑う声もあります。
だからこそ、信頼を積み重ねながら、仲間づくりを続けていく必要があります。

フェアトレードって何?──コーヒーが世界を変えるしくみ

はじめに:その一杯が、誰かの未来を変える

「フェアトレードってよく聞くけれど、実際にはどんな意味があるの?」 そんな声をお客様からいただくことがあります。

コーヒーを楽しむ日常のなかに、ほんの少しだけ“やさしい選択”を加える。 それがフェアトレードの第一歩です。

今回は、くどう珈琲がなぜフェアトレードに取り組んでいるのか、その背景と想いをお届けします。

フェアトレードとは?

フェアトレード(公正取引)とは、発展途上国の生産者に対し、正当な対価と安定した生活を保障する仕組みです。

特にコーヒー豆は、世界的にも価格変動が激しい農作物のひとつ。 小規模農家が不当に安い価格で買い叩かれてしまう現状もあります。

フェアトレードは、そのような構造を変えるために生まれました。

  • 最低価格保証
  • プレミアム(奨励金)支給
  • 長期的な取引の継続

これらによって、生産者は安定した収入と生活の見通しを持つことができます。

くどう珈琲がフェアトレードに取り組む理由

くどう珈琲では、フェアトレードを“商品”としてではなく、“未来への応援”と捉えています。

たとえば、グアテマラの農園で収穫された豆は、 適正な価格で取引されることにより、生産者の子どもたちが学校に通えるようになります。

「毎日の一杯が、子どもたちの学びにつながる」 その想いが、くどう珈琲の原点です。

あなたの一杯が、未来をつくる

フェアトレードコーヒーは、特別な人だけの選択ではありません。 誰にでもできる“日常のやさしさ”です。

「ただ美味しいだけじゃないコーヒーを飲みたい」 そう思ったときが、未来に手を差し伸べるタイミングです。

くどう珈琲はこれからも、 コーヒーを通して、やさしさと誇りを届けていきます。

まとめ

  • フェアトレードは、公正な価格と持続可能な未来を支える仕組み
  • くどう珈琲では、教育支援と生活安定を見据えた豆を扱っている
  • 日常の一杯が、やさしさのリレーになる