焙煎の話④ 〜同じ豆でも、同じ味にはなりません〜

コーヒーの焙煎は、工程だけを見るととてもシンプルです。

基本は、この流れ。

① 窯を暖気運転で温める
② 生豆を投入する
③ 1ハゼを確認する
④ 2ハゼを確認する
⑤ 冷却する

基本は、これだけです。

③〜④の「どこで止めるか」は、焙煎度合いによって変わります。
浅煎りなら2ハゼまで行かない。
深煎りなら2ハゼの入り方を見極める。

そして、もう一つ大事なのが、生豆の投入量です。

投入量によって、

① 火力の調整
② ダンパー(排気)の調整

を必ず変えます。

――ここまで読むと、
「意外と簡単そうだな」と思われるかもしれません。

でも、実際はまったく違います。

投入量や生豆の種類によって、火力は変わる。
ダンパーの調整の仕方も、微妙に変わる。
温度の上げ方(上げ時間)も、その豆に合わせて変えていきます。

正確に言うと、

その生豆に合わせるというより、
「焙煎士が求める味」に近づけるために変えています。

この「微妙な調整」の積み重ねによって、
同じ生豆でも、その店独自の味になります。

つまり、

焙煎によって、その店の“ブランドの味”が生まれる。

ということです。

だから、焙煎は本当に面白い。

それぞれの焙煎士の個性が発揮されて、
同じ豆から、まったく違う味が生まれます。

同じ時期、同じ生豆、同じ量を焙煎したとしても、
味が変わるのは、このためです。

だからこそ、私はこう思います。

コーヒーが好きな方は、ぜひ焙煎店めぐりをしてみてください。

「ここ、美味しいな」
「この店の味、好きだな」

そんな出会いが、きっとあります。

コーヒーの世界は、
冒険すればするほど、楽しくなります。


焙煎店を訪ねたら、ぜひ一杯飲んでみてください

もし、焙煎店がカフェも営んでいるなら、
ぜひ、そのお店のバリスタにコーヒーを淹れてもらってみてください。

その一杯から、
お店が大切にしているコンセプトが見えてくるかもしれません。

また、購入を考えているコーヒー豆の
本来の味を知るきっかけにもなります。

もしラテが飲めるお店であれば、
エスプレッソコーヒーを使ったラテを、ぜひ試してみてください。

エスプレッソの甘み、香り、余韻。
それをミルクがやさしく包み込む一杯は、
きっとエスプレッソコーヒーの魅力の虜になるはずです。

焙煎店を巡ることは、
コーヒーの味だけでなく、
そのお店の「考え方」や「想い」に出会う旅でもあります。


コーヒーのつながり

今日、胸があたたかくなる出来事がありました。

いつも当店の「特別価格ブレンド(180g)」を選んでくださるお客様が、 帰り際にこんなお話をしてくださいました。

「孫が、ここのコーヒーを飲んでから“他のコーヒーは飲めなくなった”って言ってね。
それから、度々コーヒーを飲みに来るようになったんです。」

コーヒーをきっかけに、お孫さんがおじいちゃんのもとを訪れて、会話をして、時間を過ごす。
その時間のそばに当店のコーヒーがあると思うと、焙煎士として本当に嬉しくなりました。

このブレンドは、いわゆる「コモディティコーヒー」を使っています。
それでも私は、普段飲みのコーヒーこそ、美味しくあってほしいと思っています。

コーヒー豆の価格が上がり続ける今だからこそ、
「リーズナブルでも、ちゃんと美味しい」と感じていただけるように、心を込めて焙煎しています。

フェアトレードのような貢献的な豆も、スペシャリティコーヒーも、そして毎日の一杯も。
価格や個性は違っても、豆の特徴を見極めて、飲まれる方の笑顔を思い浮かべながら焙煎しています。

コーヒーが、誰かの時間をつなぐ。
今日は改めて、そう感じた一日でした。

本当に美味しいエスプレッソコーヒーに出会ったことはありますか?

エスプレッソコーヒー。

知らない頃の私にとっては、
「ただ苦すぎるコーヒー」でした。

でも本当は、
コーヒーの魅力をぎゅっと凝縮した飲み物なんですよね。

私がエスプレッソに出会ったのは、
自家焙煎珈琲を始めて、まだ間もない頃でした。

何も知らなかったからこそ、
「美味しい」と思った時の衝撃は、今でも忘れられません。

最初に衝撃を受けたのは、イタリアのLavazza
その後、イタリア系エスプレッソコーヒーを飲んで味の追求をしました。

正直に言うと、
当時の日本のエスプレッソでは「これは美味しい」と思えるものに、ほとんど出会えませんでした。

自家焙煎店のエスプレッソでも、
「これは…」と思えるものには、なかなか出会えなかった。

……今は、だいぶ変わりましたが。

(本音を言えば、今でも「自分が本当に目指している味」には、まだ完全には辿り着いていません。)

それでも、
何百回とブレンドを変え、焙煎を調整し続けました。

でも、なかなか納得のいくものは出来ませんでした。

それが、
ここ2〜3年で、ようやくブレンドの“軸”が見えてきたのです。

そして、さらに進化して、
フェアトレードの豆(アナエロビック・ファーメンテーション)を使っても、
「これは美味しい」と思えるエスプレッソブレンドが作れるようになりました。


私が目指しているエスプレッソ

私の目指しているエスプレッソは、

砂糖を入れなくても、美味しいと思える味

です。

ただ苦いだけで、
酸味も香りもアロマも死んでしまったコーヒーではありません。

もしかすると、
「軽い」と感じる人もいるかもしれません。

でも私は思うのです。

エスプレッソは、我慢して飲むものじゃない。

無理にブラックで飲む必要はありません。
でも、

「ブラックでも美味しい」と、思わず声に出てしまう

そんなエスプレッソを目指しています。


エスプレッソが、私のコーヒー人生を変えました

エスプレッソに出会って、
私のコーヒーの世界は、一気に広がりました。

楽しみは、何倍にも、何十倍にも、何百倍にもなりました。

もちろん、
焙煎技術が向上したことも大きいです。

でも、それだけではないと思っています。

フェアトレードを知ったこと。
子どもたちの「学び」の大切さを、改めて思い出したこと。

そういう心の変化も、
今のコーヒーづくりに、確実に影響している気がしています。

なぜ、くどう珈琲のコーヒーは「やさしくて美味しい」のか

コーヒーの味は、豆だけで決まると思われがちですが、
実は「焙煎」で味は大きく変わります。

もちろん、良いコーヒー豆を使うことは大前提です。
スペシャリティコーヒー、精製にこだわった豆、個性豊かな産地の豆。
どれも、もともとポテンシャルの高い農作物です。

でも、コーヒー豆はまだ「素材」の状態。

そこから、「どう焙煎するか」で、甘さも、香りも、口あたりも、まったく別の表情になります。


焙煎は、毎日が微調整の連続です

私は自家焙煎を始めて23年以上、
毎日、豆の状態を見て、気温や湿度を感じながら、
少しずつ火力や時間を変えています。

「この豆は、今日は少し短めがいいな」
「今日は湿度が高いから、いつもと少しだけ変えよう」

そんな微調整の積み重ねです。


普通のコーヒー豆でも、美味しくなります

だから、特別に高価な豆でなくても、
いわゆる“普通のレギュラーコーヒー”でも、
ちゃんと向き合えば、ちゃんと美味しくなります。

コーヒーは、素材 × 焙煎で、味が決まる飲み物だと思っています。


フェアトレードの豆も、同じです

フェアトレードの豆を使う時も、私はまずこう考えます。

「この豆の良さはどこだろう?」
「どうすれば、もっと美味しくなるだろう?」

正直に言うと、

どんな豆でも、美味しくしてみせます。

……と言えるくらい、今は自信があります(笑)

もちろん、簡単に決まる時もあれば、
何度も試し焙煎を繰り返すこともあります。

でも、「これなら出せる」と自分が納得できないものは、お店には並べません。


23年の積み重ねが、今の味です

そうやって向き合ってきた23年以上の積み重ねが、
今の「くどう珈琲の味」になっています。

「なんか、やさしくて飲みやすい」
「毎日飲みたくなる」

そんなふうに言ってもらえるコーヒーを目指して、
今日も焙煎しています。

☕ この「やさしい一杯」を、実際に飲んでみたい方へ

この記事でお伝えした
「やさしくて、毎日飲めるコーヒー」。

その味を形にしたのが、
くどう珈琲の 特別価格ブレンド です。

強すぎず、苦すぎず、
それでいて、コーヒーらしいコクと香り。

「これなら毎日飲める」
そう言っていただくことの多い一杯です。

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